ストレス・マネジメントの方法

個人でできるストレス・マネジメント

個人で行うストレス・マネジメントは習慣化する必要があります。ストレスは日常的に発生するものなので、継続して取り組んでこそ効果を発揮します。まずは、ストレス要因を自覚し、それを自身から遠ざける努力が大切です。自分が日頃からどういったことに対してストレスを感じているのかをピックアップしましょう。その際は、できるだけ具体的に想起するようにしてください。仕事上のストレスであっても、場所や気温などにもストレスの要因が隠れているかもしれません。そして、各要因に対してどの程度のストレスを感じているかを順位付けしましょう。
ストレス要因が判明したら、ストレスが発生した際のマイナスのエネルギーを別のものに向けて発散するようにしてください。趣味や得意な仕事に対してエネルギーを発散することで、上手くストレスを逃がすことができます。加えて、良質な睡眠や十分な休息を取りましょう。十分に身体を休めることは、基本的ではありますが最も大切なことです。逆に、これができていなければストレス・マネジメントは成立しません。ゆっくり入浴する、マッサージをするなど、心身がリラックスできる状態を意識的に作ってください。
最後に、自己評価によるモチベーションの維持に努めましょう。仕事が上手くいかない時は大きなストレスを感じますが、ネガティブな感情を持ち続けてはいけません。自己評価の軸をしっかり持って、正当な評価を自身に与えることで自信を保ちましょう。周囲からの評価も大事ですが、それに依存しすぎてはいけません。

組織としてのストレス・マネジメント

組織としてストレス・マネジメントに取り組む場合、まずは組織全体としてストレス・マネジメントを優先する風土作りから行う必要があります。ストレスによる不調を個人だけの問題にしない姿勢が求められます。その上で、組織内のコミュニケーションを円滑に行うためのツールやルールを構築します。インターネットやクラウドサービスなどのプラットフォームを活用し、滞ることなくコミュニケーションが図れる状況を作ります。
また、定期的に面談を行うなど、サポート体制を充実させることも必要です。上司との1on1や相談窓口の設置、産業医との連携などを行い、労働者が相談しやすい環境を作ります。ストレス・マネジメントを個人の裁量で任せてしまうと個人差が生まれるため、知識やスキル向上のバックアップ体制を整え、必要に応じて外部の研修を導入するといった取り組みも必要です。